地平

Photo credit: No Door An Aperture on Visualhunt.com

 

空の青が消えゆく彼方に
吹く風の冷たさを想う
あの地平に僕がいても

 

木々を抜ける光が
君の変わる表情を
君の笑い声を
美しく映す
僕はそれを想いながら
ひとり彼の地にいる

 

僕は消えるわけじゃない
いつだって君の方を向いている
どんなに広く黒い海が
怒り狂う砂が
君と僕を隔てたとしても
僕は消えるわけじゃない

 

遠い昔に別れた人も
昨日目の前から消えた人も
僕を呼ぶかといえば
決してそんなことはない
聞こえるのはただ
誰かを呼ぶ声
僕の声だ

 

君が聞こうとしないなら
ないのも同じだ

 

色の消えた彼の地に
僕はこっちを向いて立っている
僕はここにいるのに
そしてあなたは隣に

 

千年の孤独も
一瞬の寂しさも
違いはない