
強い向かい風に煽られ
フードを押さえて歩く
ばかでかい観覧車の向こう
空の藍色が少しずつ薄れ
鳥の声だけが騒がしい
僕の絶望
同じように身支度をして
同じパンを買い
同じ信号で止まる
道端の草叢に浮かぶのは
いつも同じあなたの顔
僕の絶望
こんなにも寒いのに
なぜあの花は咲いているのか
車を停めて写真を撮る
誰にも見せないのに
ハンドルにもたれ溜息をつく
僕の絶望
帰ってきたあなたは
別の人のように見えた
あなたが忌み嫌うことを
僕は話さない
胸の奥が朽ちるようだ
僕の絶望
あなたと見た花は
僕たちが知らないうちに
きっとまた咲くのだろう
痛みだけが傍にある
あなたは知らない
僕の絶望
僕たちのあいだには
何があるのか
いや僕たちのあいだには
何があったのだろう
