一粒の祈り

波の打ち寄せる砂浜の写真
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僕は祈る

神はいなくても

祈る

 

 

僕の奥歯が擦り減っているのも

僕の指がささくれ立っているのも

僕の背中がいつも軋んでいるのも

 

 

僕が間違ったことも

 

 

すべては

ただ波に翻弄されただけ

 

 

僕は砂の一粒

目に見えないほどの小さな粒だ

偶然が僕をここに追いやっただけ

 

 

誰にも気づかれないうちに

身体を削られて

岸に打ち上げられ

海底に引きずり込まれ

知らない場所に追いやられた

 

 

けれど

隣にもう一粒の砂

偶然が僕に与えたもの

 

 

だから僕は祈る

神は必要ない

幸福も不幸もない

偶然に踊らされるだけ

だから祈る

 

 

ただ波に洗われるのはごめんだ

どんなにちっぽけでも

僕は生きているから

僕はそこに行く

必ずそこに行く

 

 

僕は祈る

僕の大切なもののために

神なしで祈る

 

 

僕を見る神はいない

誰も知らないこと

僕はいつだって

そうしてきたんだ

 

 

ここを飛び立って

僕はそこに行く

必ずそこに行く