愛の詩

sandgrain
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「どこ」と聞かないで

それは

あなたが眠り

僕が野を駆けているときも

あなたと僕の間にあったから

 

 

「いつ」と聞かないで

それは

海と陸がまだ分かれないときも

すべての空を雪雲が覆うときも

太陽が世界を飲み込むときも

変わらずあるから

 

 

「なぜ」と聞かないで

それに

理由などないから

 

 

あなたの涙をたよりに

暗闇を彷徨う

あなたの嗚咽が

僕を呼んでいる

あなたもまた

僕の涙の味を知っている

 

 

波は永遠に

打ち寄せては引いていく

僕たちは飲み込まれ

もてあそばれ

削られてきたけれど

深い深い海の底に舞い降りて

必ず出逢う

 

 

あなたの口も

僕の耳も

とうに失われた

でも

僕には聞こえる

美しいあなたの歌声

 

 

光が届かなくても

あなたは輝く

僕の傍らで