石の箱

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誰とも話したくない

何も聞きたくない

それなのに

ひとりで言葉を紡ぐ

 

 

 

哀しみを言葉にしたい

怒りを言葉にしたいと

なぜかここに来てしまう

誰にも届かない言葉が

俺を癒すことはないが

 

 

 

まるで完全に密封された

コンクリートに囲まれた箱の中で

何もない本当に何もない壁に向かい

言葉を投げつけ反響を聞いている

 

 

 

俺にしか聞こえない

俺にしかわからないのに

耳は潰れてしまいそうだ

誰も知らない

もちろんあなたも

 

 

 

誰とも話したくない

何も聞きたくない

それなのに

ひとりで言葉を紡ぐ

 

 

 

なんとむなしいのだろう

すべてはむだに思える

何をしたって意味はない

あなたはもういないし

俺を思い出しもしない

 

 

 

俺が俺の罪を反芻したところで

もうなんにもならない

罪が責め立てることに

もう何も感じない

のたうち回ることはない

 

 

 

石の箱

石の棺だ

俺の声が反響し

俺の鼓膜を破り

それなのに静寂はこない

いつまでもざわめいている

 

 

 

誰とも話したくない

何も聞きたくない

それなのに

ひとりで言葉を紡ぐ

 

 

 

詩ではない

詩ではないんだ

ただ

ただ

泣いているだけだよ