終わり

君と見たかった猫、見つけた。行き場のない写真。

ああ、愛しくてたまらないふたりの猫たち。
とても会いたい。でも、もう二度と会えない。

思い出す「肉の塊になっても愛する」という言葉。
あのとき、涙が出たことをあの人に伝えていない気がする。

変わってしまったのは僕じゃない。
きっとわからないだろう。
何もわかったためしがないもの。

自分を大馬鹿だと言ったのは
ひとつも嘘をつけなかったからだけど
あの人にはわからないことなんだ。

シロは空に行ったのなら
空でふたり、あの人のことを話したい。
シロはちくわのことしか言わないかもな。

 

こんな気持ちで僕は新しい働き場を加えた。力仕事。
体調は大丈夫か、どころか
あの人は何ひとつ聞かなかった。

僕はぎりぎりを歩く。
あの人は大丈夫だと言う。
そう思いたいだけだろう。

大丈夫じゃない。
もうだめかもしれない。
どうなろうと知ったことじゃないよな。

蝋梅の季節になった。
また一緒に見たかった。
毒があるらしい。
ひとりで見るとだめかもしれない。