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Photo credit: wakalani via VisualHunt / CC BY-NC-SA

 

 

風は静かに花を揺らして

今日が終わることを知らせる

人影もない道をひとり歩くと

夜が近づく匂いがする

最後の光の余韻を湛えた空に

月はひっそりと姿を見せる

離れているあなたが見るもの

あなたにも吹くこの風

 

 

もうすぐ月の夜が訪れる

あなたと僕の恋に

月が物語をくれた

あの日僕はあなたを見つけ

不器用に語りかけた

ふたりの時が静かに滑り出し

僕はすぐに満ちて

あなたが満ちるのを待った

数えきれぬ夜あなただけを想い

同じ場所にずっといた

あなたが見失わぬよう

 

 

あなたをひとり待つ夜

僕を忘れて

知らない場所にいても

あなたは僕の天使

胸の痛みを抱えながら

あなたの美しさを

うまく言えないままに

いくつもの夜が過ぎた

 

 

待ちわびた時がきて

月が満ち

風がここで止まる

僕の傍にあなたは舞い降りて

静かに微笑む

あなたは人に姿を変え

僕の痛みはあなたを癒す

そう知って僕は

また恋をする

 

 

僕たちの物語は

ようやくはじまりを終える

また風は吹き

いつものように僕は歩く

あなたを想い

あなたに語りかけ

あなたに焦がれる

 

 

でももう待たなくていい

満ちた月が迎えてくれる夜に

いつもいるあなたとともに

僕は溶けていくだけ

僕のために輝くあなた

何よりも美しいあなたを

じっと見つめるだけ

 

 

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