夜の葉

yorunoha

 

 

街灯に照らされる並木の葉を見ていた

誰に見上げられることもない緑

暗闇の中に浮かび上がる輝き

目を凝らしたのは僕だけ

 

 

冷えた空気が僕に問う

お前はなんだ?

僕は立ち尽くす

哀しくてもハリボテでも

強そうな顔で歩いていた僕は

今や夜に怯える小鳥のようだ

 

 

僕は僕を知っていた

誰も知らなくても

僕だけはよく知っていたんだ

哀しかろうと寂しかろうと

僕は僕を知っていたのに

 

 

来たことのない場所

目も眩むような光

暖かい風

笑いかける顔

 

 

ちっぽけな僕はもう

一人では生きていけない

誰も知らない場所で

冷たい光を浴び

ひとり輝いてた

あの頃の僕はもういない

 

 

夜と昼の狭間に

置き去りにされたくはない

夜に戻りたくもない

黄泉の匂いのする青白い光

あれはもう

寂しくて

やり切れない

 

 

いま僕は

小さな小鳥

一人では

昼を飛べないんだ

 

 

もしも

あなたが翼を並べるなら

僕は鷹にもなろう

孤独の緑色には目もくれず

どこまででも飛ぶだろう

あなたが僕のことを教えてくれるなら

 

 

今夜は見ていよう

夜の葉

ちっぽけなこの心で

哀しげなその光を

 

 

今夜だけは

もう一度

ひとりぼっちで

 

 

そして僕は言う

夜の葉

哀しく強く美しい

お別れだ

僕は飛びたつ

あなたとふたりで

 

 

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