ひとりぼっち

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あたたかい胸に抱かれた

おっかなびっくりの笑顔が見えた

笑い声が聞こえて

背中をとんとんしてもらった

 

 

わけもなく反発して

何でも攻撃した

沈む赤い陽を見つめて

俺はひとりぼっちだった

 

 

希望を抱いて旅立つ日

駅に見送りに来てくれた

冗談を言い握手をして

手を振って別れた

 

 

考えに考えたのに

傷つけて傷つけられた

雨が降る夜の街を歩く

俺はひとりぼっちだった

 

 

 

純粋にただ純粋に

求め求められたと思った

いつも一緒にいて

いつまでも一緒だと思った

 

 

俺が愛を手にかけて

俺の心も死んだ

遠くからその人を見るとき

俺はひとりぼっちだった

 

 

生まれてきた奇跡が

すぐにも消えそうだった

暗い川面を見ながら祈り

俺はひとりぼっちだった

 

 

いつもそこだけは輝いて

いつでも手を繋いでいた

いつも笑い合って抱き合って

美しい寝顔を見せた

 

 

おそろしい出来事の中で

混乱に流されないように踏ん張った

理解しえない人と過ごし

俺はひとりぼっちだった

 

 

まるで初めてのように恋をして

まるで初めてのように永遠を誓った

悲しみをさらけ出して

少しの疑念もなかった

 

 

上手く暮らせないことに

うしろめたさを感じて

それでも笑ってみせるとき

俺はひとりぼっちだった

 

 

幸せに満ちた部屋から

突然追い出された

鉄扉を叩いても返事はない

俺はひとりぼっちだ

 

 

今度こそ本当に

ひとりぼっちだ

これから先は

ずっとひとりぼっちだ