太陽

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あたりを面白そうに見まわして歩く

あなたの後姿を僕は忘れない

人混みの中でもすぐにわかる

楽し気なあなたには光が射している

 
 
 

たくさんの物売りに目を奪われて

売り子と言葉を交わしている

優しい物言いとまっすぐな眼差し

僕は少しだけ嫉妬した

 
 
 

混雑を避けて横道にそれた

大きな建物の裏にまわって

鳥が木の実を啄むのを見る

僕が鳥の名を教えると

大きく頷くあなたの上を

けたたましい鳴き声が飛ぶ

 

 
 

遠回りをして丘を登り

道に迷いながら街へ降りた

息は白いのに汗をかいてる

あなたはずっと笑ってる

 

 

 

おなかがすいたねと

初めての店に入る

あなたはまたキョロキョロした後

僕をまっすぐに見た

 
 
 

好きよ大好き

もう何度も聞いたその言葉に

そのとき僕は撃ち抜かれた

テーブル越しにあなたの手を取る

僕も君が好きだ

心から心から

 

 

 

歳を重ね

僕たちはまだ別々に生きている

どんなに好きでもまだ果たせない

だからあなたは僕を捨てるの

 

 

 

あなたを失うことなんて

本当にできるだろうか

空から太陽を消し去ったら

何も見えず命も消える

あなたを失うことなんて

本当にあるのだろうか

 
 
 

あの日からあなたは

僕を包み

僕を撫で

僕を詰り

僕を責め立てた

時に嘘をつき

時に突き放した

 

 

 

でも僕にとってあなたは

あの日のままだ

輝いて言った

好きよ大好き

僕の女神だ

 

 

 

あなたを失うことなんて

本当にできるだろうか

あなたを失うことなんて

本当にあるのだろうか