Photo credit: pelican on Visualhunt
あたりを面白そうに見まわして歩く
あなたの後姿を僕は忘れない
人混みの中でもすぐにわかる
楽し気なあなたには光が射している
たくさんの物売りに目を奪われて
売り子と言葉を交わしている
優しい物言いとまっすぐな眼差し
僕は少しだけ嫉妬した
混雑を避けて横道にそれた
大きな建物の裏にまわって
鳥が木の実を啄むのを見る
僕が鳥の名を教えると
大きく頷くあなたの上を
けたたましい鳴き声が飛ぶ
遠回りをして丘を登り
道に迷いながら街へ降りた
息は白いのに汗をかいてる
あなたはずっと笑ってる
おなかがすいたねと
初めての店に入る
あなたはまたキョロキョロした後
僕をまっすぐに見た
好きよ大好き
もう何度も聞いたその言葉に
そのとき僕は撃ち抜かれた
テーブル越しにあなたの手を取る
僕も君が好きだ
心から心から
歳を重ね
僕たちはまだ別々に生きている
どんなに好きでもまだ果たせない
だからあなたは僕を捨てるの
あなたを失うことなんて
本当にできるだろうか
空から太陽を消し去ったら
何も見えず命も消える
あなたを失うことなんて
本当にあるのだろうか
あの日からあなたは
僕を包み
僕を撫で
僕を詰り
僕を責め立てた
時に嘘をつき
時に突き放した
でも僕にとってあなたは
あの日のままだ
輝いて言った
好きよ大好き
僕の女神だ
あなたを失うことなんて
本当にできるだろうか
あなたを失うことなんて
本当にあるのだろうか