川は流れる
川は流れる
人を表すものは何もなく
目的もなく
喜びも悲しみも
怒りさえもない
ただ川は流れる
激しく岩を押し進み
時にゆったりと膨らんで
少しずつ土砂を積もらせる
何度も曲がり
分かれては繋がり
ところどころに小さな島を残す
鳥の群れが騒がしい
巨大な木が林立している
王が制服しようとする
王は制服しようとした
でも雨のような糞が答えだ
たくさんの人が死に
その前にたくさんの睦み合いがあった
真夜中の喜びの声
おそろしい怒りの叫び
僕たちは川べりまで行って
魚を見ようとした
でも危なっかしくて
君を近寄らせなかった
君といると僕は
水が怖くなる
白い雲がすべてを鎮める
どれだけ時が経っても
川は流れる
川は流れる
何事もなかったように
いや何事もなかったんだ
川は流れる
川は流れる
君と僕が歩いた川辺も
いつかは流されて
跡形もなくなる
あの大きな塔も
必ずなくなる
それでも僕は
あの対岸の白い砂を
忘れることはないだろう
ほらあの黒い鳥が歩いているあたり
指さしたから君も見たはず
川は流れる
川は流れる
目を瞑る
音が聞こえる
川は流れる
川は流れる
この写真は、この夏に僕たちが実際に見た川のものだ。