赤い滴


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一人の夜

僕はあなたを想っているのか

僕には何もない

失ったものを数えることもできない

僕は本当にすべてを失ったのだ


たったひとつの光

僕はそれだけを見ている

いずれその光は僕を離れるだろう

何もない僕が望むのは

その輝きが続くこと

僕の視界から消えたとしても


長い間僕には何もない

あるのはいずれ僕を去るひとつの光

あなたが知っているのは

僕の愛でも孤独でもない

僕の涙に触れても

自分の涙と見わけることもできない

あなたは何も知らない


僕は僕の未来を知っている

もう光の届かない暗闇の底で

光を想って漂っている

何もないまま朽ちるとき

僕の残す言葉はない


あなたの未来を変えるわ

あなたはそう言った

月に照らされた青白い顔で

必ずそうすると


あなたの約束を

僕は信じるべきではなかった

僕のいる場所は

暗闇の底だ


何もない何ひとつない

記憶すら生き延びられない場所

こんな場所から

あなたを癒やすこともできない


僕はただ

あの光を守る


あなたを失えば

消えてしまう未来も

幻に過ぎない


流れたのは僕の血ではない

ただ赤い滴が

暗闇に消えるだけ


音のない暗闇で

僕はただひとつの光を見ている

僕の世界から

光が旅立つ日を待ちながら


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