君を待つ車を降りて
僕は見つけた
道ばたの小さな白い花
僕しか知らないかのように
ささやかにひとり咲いている
支度をするあなたは
きっと僕を想っているのだろう
僕はこの時間が好きだ
風が伝える言葉
撫でてきた数え切れぬ罪
償う人を見失っても
いつか赦しはある
そう聞こえたのは
木々のざわめきのためか
あなたの胸に咲く花
誰も知らぬその美しさに
果てしない時の中で
何度も帰るあなた
優しく甘く美しい夢に
花を持たぬ僕は
この名も無き花とともに
あなたを迎えよう
いつかあの花を
後ろに置いて
優しい影が僕を包み
光の中にあなたがいる
哀しみも罪も超えて
僕を見るあなたは
嬉しそうに笑う
あなたは知らずに
僕の花に触れる
あなただけに咲く花
永遠に枯れぬ花
僕はずっと
あなたの傍にいよう
この花とともに
あなたを咲かせよう