Photo credit: JanetR3 on Visualhunt
美しくもない言葉を
何度も何度も宙にぶん投げて
一度だけ読み返して泣く
俺の手を離れた感情が
この世界のどこかに漂い続け
いつか誰かの鼓膜を震わせる
そんな夢想に意味なんかない
捨てたのは俺の方だと責めることで
あなたは俺を捨てる罪悪感から逃げた
俺は為す術もなく立ち尽くし
言葉のナイフを投げつけられて
ただただ黙っていた
美しくもない言葉を
何度も何度も宙にぶん投げて
一度だけ読み返して泣く
無謀にも俺は
あなただけを頼りに
この土地にやってきた
人生をベットしたことは
あなたも知っていたはず
それでも無残に打ち捨てられた
あなたが言霊と名付けたものたちは
鳥の羽のように軽く
とっくに風に吹かれて消え去った
重ねた身体の記憶すら
もうどうやっても呼び出せない
いつもの景色を眺める
僅かな声も聞こえず
前に進んでも
必ず元の場所に戻る
あなたの顔も
もう忘れてしまった
美しくもない言葉を
何度も何度も宙にぶん投げて
一度だけ読み返して泣く
俺は怒っている
叫び続けるだろう
あなたたちには聞こえぬ声で
そしていつか
地面を割る
美しくもない言葉を
何度も何度も宙にぶん投げて
一度だけ読み返して泣く