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Photo credit: Lotus Carroll via Visual Hunt / CC BY-NC-SA

 

 

行き場を失った慈愛

あなたから溢れて

虚空を漂う

穏やかに動くその手

月あかりを通す澄んだ肌が

哀しい嘘つきたちを癒す

 

 

ただひとつの言葉で

あなたはすべて差し出す

穢れを飲み込んで

あなたのすべてを

 

 

あなたが欲しいのは

愛ではなく言葉

 

 

“あなただけが欲しい”

 

 

誓いのような空虚な音

そのために

あなたは繰り返す

悔いることなく

 

 

あなたは

その同じ手で

僕を撫でる

その同じ肌を

僕にさらす

 

 

僕は言う

“あなただけが欲しい”

 

 

それは

あなたが何度も聞いた音

汚れた口から

 

 

あなたは知らない

その同じ音が

僕の喉から出るとき

僕は僕を削る

僕がもう知っていることも

あなたは知らない

 

 

それは約束ではなく

破られることもない

 

 

僕はまた口にする

“あなただけが欲しい”

 

 

あなたが撫でた者たち

それさえも

僕は僕の一部にするだろう

哀しみや怒りや穢れた欲望も

何度も血を流して

僕のものにする

この言葉を

あなたに届けるために

 

 

“あなただけが欲しい”

 

 

風に揺れる髪

ゆっくりと開く唇

僕が見つめるもの

あなたの深く浅い瞳

 

 

あなたが口にした愛を

僕は受け取ったけれど

それは愛とは呼べない

聖母に見えたのは

あなたが僕を知らないから

 

 

隠していた血を

あなたに見せた

 

 

“あなただけが欲しい”

 

 

僕の知らないあなたも

僕を知らないあなたも

時が始まり終わるまでの間

 

 

僕は何度も言う

“あなただけが欲しい”

 

 

あなたは美しい

誰の目にも

でも僕には見える

誰にも見えないもの

あなたは

僕だけに美しい

 

 

あなたの瞳が

時間のすべてを湛え

遠い海の底の

濃い青のように

静かに焦点を結ぶ

そのとき僅かに

でも確かに

光が射して

あなたには

僕しかいない

 

 

そしてあなたは言う

“あなただけが欲しい”

 

 

その青は

どこまでも青い

深く深く

青い

 

 

僕は

もう一度震えるだろう

あなたの美しさに

その清らかな微笑みが

僕に教える

あなたと僕が

始まりの時のように

ひとつであること

 

 

あなたと僕は

穏やかに眠る

深く青い海の底で

僕があなたを包み

あなたは僕を包む

 

 

心さえも薄れて

永遠にひとつ

 

 

 

〜 慈愛、傲慢、偽善、軽薄、純粋、卑小、そして愛に 〜

 

美しい言葉だけを並べることはできない。

僕は時にあまりにも傲慢で卑小になる。

そして僕は、ただ不必要に純粋なだけのちっぽけな人間だ。

だからあなたを傷つけてしまうこともある。

ごめんよ。

 

でも僕は、あなたと僕がひとつであることを知っている。

僕はあなただけが欲しい。

 

僕はあなたの愛を知っている。

僕もあなたを愛している。

でもあなたには、僕に愛を与えようとして欲しくない。

そこには僕が唯一ではなくなる何かがあるから。

 

あなたが僕だけを求めるとき、僕は幸せだ。

傲慢や卑小を超えて、ただ純粋になれる。

本当に唯一でいられる。

“わたしはあなただけが欲しい”

その声を聴くとき、僕はこの上なく幸せだ。

 

 

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