もうひとつ

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Photo credit: i k o via Visual Hunt / CC BY-NC-SA

 

 

僕が信じるもの

張りつめた冷たい空気

全てを白く隠す雪

靴底から辛苦を伝える霜

黒い稜線から現れる光

 

 

僕が信じるもの

ひっそりと身を膨らませる蕾

ささやかな音を奏でる川

飽きもせずお喋りする鳥

ただ健気に蜜を集める蜂

 

 

僕が信じるもの

肌を刺す灼熱の光

噴水の霧に浮かぶ虹

燦めく水の底で鳴るざわめき

足の裏にまとわりつく砂

 

 

僕が信じるもの

赤い葉を散らす冷たい風

遠い山から聞こえる遠吠え

黄金の波が寄せるような稲

啄まれ色を変えた果実

 

 

僕が信じるもの

指を握りかえす小さな温かさ

 

 

それだけだった

そこには僕ひとりしかいなかった

でも今はあなたがいて

永遠を湛える瞳で

その言葉を口にする

僕を見て

その唇が動くたび

僕の泉は湧き

世界は新しくなる

不動の暗闇に

光が射し動き始める

 

 

僕はもうひとつ信じる

何よりも

信じる必要もないほどに

美しいあなた

あなたのすべてを

 

 

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